健康や美容に良いとされ、一時ブームにもなったココナッツオイル。ところが、近年そのココナッツオイルの健康への影響について疑問視する声が出てきています。
今回はココナッツオイルが実は脳に悪いと言われる理由について調査しました。
ココナッツオイルとは
ココナッツオイルはココヤシから作られる油脂であり、飽和脂肪酸を多く含む油です。ココナッツオイルに含まれる中鎖脂肪酸が「体内で早くエネルギーに変換される」ということでダイエット効果などを期待できると言われており、更に保湿作用のある脂肪酸に抗酸化作用を持つビタミンE、抗菌作用を持つラウリン酸などがあることから、肌や髪にも良いとされてきました。
中鎖脂肪酸は体内でケトン体に変換され、これがアルツハイマー病やその他の認知症の予防、改善に良い効果を与えるとも言われており、このことから「脳に良い」とされているのですね。
ココナッツオイルは純粋な毒!?
ところがどっこい、ある研究者は「ココナッツオイルは純粋な毒だ」と発言、妥当性のある研究と共にココナッツオイルが健康に悪いことを主張し話題になりました。
実はアメリカ心臓協会は、飽和脂肪酸はあまり健康に良くないという立場を一貫して取っており、ココナッツオイルについて「避けるべき食べ物」リストに掲載していたのだとか。これは一体どういうことなのでしょうか。
飽和脂肪酸は悪玉コレステロールを増加させる?
実はこれまでの研究の中で、飽和脂肪酸が悪玉コレステロールを増加させることが示されているのだとか。字面からしてあまり良くなさそうな悪玉コレステロールですが、やはり心臓や血管の病気を引き起こす原因となってしまいます。
アメリカ心臓協会によると、飽和脂肪酸の摂取量は1日あたり13グラム以下に抑えるのがいいのだとか。ちなみにココナッツオイル大さじ1杯に含まれる飽和脂肪酸は11グラム程ですよ。
ココナッツオイルは脳に悪い?
かつて中鎖脂肪酸に脂肪減少を促す効果があると示した研究では、中鎖脂肪酸のみから成る精製油が研究に用いたれており、通常のココナッツオイルの成分とは随分違うものだったため、「ココナッツオイルが体に良い」という主張については信憑性が怪しいとする人もいます。
ただ、元の研究の信憑性を疑うことは「脳に良い」ことが事実であるか怪しいという主張には繋がるものの、「ココナッツオイルが脳に悪い」と主張する根拠にはなりません。高カロリーのココナッツオイルを用いて太ってしまい、その結果脳に影響が出たとすると「脳に悪い」と言えるかもしれませんが、少なくともココナッツオイル自体に脳への悪作用はなさそうです。
ココナッツオイルは肌にも悪い?
ココナッツオイル乾燥肌を保湿するのに適しており、エイジングケアにも役立つとされています。一方で手穴を詰まらせやすいという特徴もあり、オイルの残留物が肌に残ると当然体に良くはありません。とはいえ、この点については洗い流す際にしっかりケアすればデメリットは発生しませんね。
また、ココナッツオイルを肌に使った際にアレルギー症状が出ることはあります。食物アレルギー、アナフィラキシーショック、気管支喘息、蕁麻疹、アトピー性皮膚炎の原因となる可能性があり、この点はデメリットと言えます。自分の肌に合うのかどうか、気を付けて使う必要がありますね。
適切に使えば悪とは言えないか
ココナッツオイルが体に良いのか悪いのか、今のところはどちらの説も確定的なものはなく、どちらの側面もあるのかな、という感じがしますね。少なくともココナッツオイルのメリットについては、否定派もすべて否定しきれているようではなさそうです。どんなものでも摂りすぎると体に毒となるものです。使う際には適度に使用して、メリットだけを享受したいですね。
【参考サイト:Doctors Oil】
最後に
今回はココナッツオイルのデメリットの噂について紹介しました。ブームとなると、一気に流行ってしまうというのは少し怖いところです。世に出た情報をなんでも鵜呑みにしたりはしないようにしたいですね。